NETIS(新技術情報提供システム)は、国土交通省が運用し、公共工事の品質向上や施工効率化、i-Constructionを後押しする仕組みです。NETIS登録技術を活用することで、施工者は総合評価落札方式での加点や工事成績評定点の向上を期待できます。
今回は、NETISの基本概要と活用メリット、登録・利用の流れをわかりやすく解説します。
先端的な3D測量・三次元データ活用ソリューションを手がけるアジルジオデザインは、最新の測量機器を提供しています。当社が扱うリアルタイムSLAM搭載のハンディ3DレーザースキャナーX120GOは、NETISに正式登録(技術番号:KT-230271-VE)されており、後継機種としてX200GOとX120GOv2も新たに追加されました。
最新技術を活用し、現場の作業効率を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
▼この記事のポイント
- NETISは、国土交通省が運用する公共工事等の新技術データベースのことです。
- NETIS登録技術の活用は、技術提案や工事成績評定での加点が期待できます。
- 登録技術は施工効率、省人化、安全性の向上に役立ちます。
- 提案前には技術の最新の掲載状況を確認することが重要です。
NETIS(新技術情報提供システム)の基礎知識
NETISは、新技術の情報を共有して公共工事での活用を促すデータベースであり、i-Constructionや建設DXを支える基盤です。ここでは、その成り立ちと対象分野を説明します。
NETISは国土交通省が運用する新技術のデータベースである
NETISとは、国土交通省が運用する、公共工事等における新技術の活用促進を目的とした共有データベースです。
NETISは、優れた建設技術を全国の公共工事へ速やかに普及させるために構築されました。従来は、民間企業や研究機関などが新技術を独自に開発しても、その情報が発注者や施工業者に届きにくいという課題がありました。
そこで、開発された新技術の情報を一元的に収集・共有し、誰もがWeb上で自由に検索・閲覧できるようにしています。
NETISに登録される技術には、従来の標準的な工法や機器と比べた明確な優位性が求められます。
評価対象となるものには、次のものなどが挙げられます。
- 工程短縮や施工速度の向上といった施工性
- 構造物の耐久性や完成度に関わる品質
- 人件費・材料費を抑える経済性
さらに、現場作業員のリスク低減や作業環境の改善につながる安全性、騒音・振動やCO2排出量の低減といった環境面のメリットも、多角的に評価されます。
NETISはi-Constructionや建設DXを支える基盤となっている
NETISが支えるi-Constructionは、建設業界の人手不足に対応し、生産性を高めるための取組です。
近年、少子高齢化に伴う熟練技術者の離職や若手入職者の減少が課題となっています。国土交通省はこの状況を打開するため、2016年から、調査・測量、設計、施工、検査、維持管理・更新までの全プロセスにICTを導入するi-Constructionを推進してきました。
NETISは、i-Constructionと建設DXを現場で社会実装するための重要な情報基盤です。現場では、従来のトータルステーションによる点計測から面的な高密度データ取得へ移行するため、3D点群データを取得するレーザースキャナーやドローンが導入されています。熟練オペレーターでなくても高精度な敷均しや掘削ができるICT建設機械の自動制御・施工支援技術もその一例です。
さらに、動画や計測データをリアルタイムで共有・確認できるクラウド型遠隔臨場システム、作業員の体調管理や危険察知センサーで事故を防ぐIoT活用ソリューションなど、多くの革新技術がNETISに登録されています。
土木・建築・測量など幅広い分野の新技術が登録されている
NETISは、建設プロセスに関わる幅広い領域の技術を対象としています。土木分野では、道路・河川・橋梁・トンネルの施工工法、地盤改良技術、補修材料などが登録されています。
建築分野も、省エネ型建材、耐震部材、高機能塗料、プレハブ化施工技術まで多彩です。測量分野には、ハンディ3Dスキャナ、地上レーザースキャナ、空中写真測量技術、変位モニタリングシステムがあります。
そのほか、非破壊検査機器、構造物点検ドローン、インフラ状態診断AIなどの維持管理技術や、濁水処理システム、仮設足場関連機器、熱中症予防モニタリングなどの環境分野も含まれます。提供形態も、重機・計測機器などのハードウェア、施工プロセスの解析・データ処理を行うソフトウェア、作業手順や施工ノウハウを体系化した施工手法と多岐にわたります。
公共工事でNETIS登録技術を活用するメリット
NETIS登録技術を公共工事で活用すると、入札や工事成績の評価に加え、施工効率、省人化、安全性の向上も期待できます。
総合評価落札方式の技術提案で加点が期待できる
公共工事の入札で主流となっている総合評価落札方式では、NETIS登録技術の活用が技術提案の加点要素となります。
この方式は入札価格だけでなく、企業の技術力、施工実績、配置予定技術者の能力、地域貢献度、技術提案の内容を総合的に評価し、落札者を決定する制度です。
工事成績評定点の加点で次の受注機会が広がる
工事成績評定点の加点も、NETIS登録技術を活用するメリットです。
公共工事の完了後、発注者は施工企業の成果を100点満点で採点します。この工事成績評定点は企業の施工能力を示す公的な指標であり、登録技術を施工段階で実際に活用して事後評価手続きを行うと、加点措置を受けることができます。
工事成績評定点で高得点を得ることは、その工事の評価向上だけにとどまりません。高い評定点の実績を重ねれば、より規模の大きいランクの工事入札に参加でき、次回以降の入札でも企業の同種実績として優位性を確保しやすくなります。発注者からの公的な信頼が高まれば、指名競争入札での指名機会の拡大にもつながります。
さらに、過去の工事成績評定点の平均値自体が総合評価の加点対象となるため、相乗効果で次回以降の入札が有利になります。
施工の効率化・省人化や安全性の向上につながる
NETIS登録技術は、制度上の加点だけでなく、現場の施工効率、省人化、安全性の向上にも効果をもたらします。
作業時間と工期の短縮
一つ目の効果は、作業時間と工期の短縮です。
従来は数日かかっていた広範囲の測量や点検も、最新の3D計測機器や自動化ツールを導入すれば、数時間で完了するようになります。工期全体を圧縮できるため、天候リスクの低減や現場管理コストの削減にもつながります。
省人化による人件費の削減と人手不足への対応
二つ目は、省人化による人件費の削減と人手不足への対応です。
複数名の立ち合いが必要だった測定を1人で行えるようになるなど、限られた人員でより多くの現場を回せる体制を構築できます。そのため、人手不足に悩む建設企業の解決策となります。
現場の安全衛生環境の改善
三つ目は、現場の安全衛生環境の改善です。
急傾斜地や高所、交通量の多い道路沿い、崩落の危険がある閉鎖空間などでは、従来、作業員が危険エリアへ立ち入る必要がありました。新技術を活用すれば、離れた場所から、または移動しながら安全に計測・点検できます。
危険作業そのものを減らすことは、重大な労災事故を防ぐための有効な対策です。
アジルジオデザインが提供するX120GO/X200GOの特徴と活用シーン
X120GOとX200GOは、歩行しながら高密度な3D点群を取得でき、測量・点検から土量計算まで幅広い現場で活用できます。ここでは、X120GOのNETIS登録の経緯と具体的な導入効果を説明します。
NETIS登録技術のX120GOは歩くだけで3D計測ができる
アジルジオデザインが取り扱うリアルタイム3DスキャナーX120GOは、NETISに登録(技術番号:KT-230271-VE)され、後継機種としてX200GOおよびX120GOv2が追加されました。
従来の三次元計測では、三脚の設置、水準合わせ、計測、別の場所での再設置という手順を繰り返す必要がありました。帰社後には、複数の点群データを位置合わせする作業も発生していました。
X120GOは、搭載するSLAM技術によって、移動しながら周囲の形状を瞬時に認識し、広範囲の点群データをリアルタイムで合成できます。これにより、固定式スキャナやトータルステーションによる従来の計測作業と比べ、作業時間を80%以上削減することを実現しました。この施工性と経済性が、NETIS登録での評価ポイントとなっています。
インフラ点検から土量計算まで幅広い現場で活用できる
X120GOとX200GOは、コンパクトなハンディ型でありながら高密度なデータを取得でき、屋内外を問わず多様な測量現場で活用できます。インフラ整備や構造物点検では、橋梁の下部工やトンネル内壁、既設構造物の劣化・変形を対象に、足場を組まず、歩きながら短時間で詳細な3D形状データを取得できます。
土工の土量計算や切盛土管理では、盛土現場の広い敷地を歩くだけで現況の点群データを生成でき、専用ソフトウェアとの連携により、従来法より短時間で土量計算を終えられます。GPS電波が届かない地下空間、配管が複雑に入り組むプラント施設、室内や地下街でも、SLAM技術によって精度を保ちながらシームレスな3Dモデル化が可能です。
崩落現場や不安定な土砂崩れエリアなどの災害復旧現場では、作業員が短時間で歩いて計測することで、二次災害のリスクを抑えながら被害状況を把握できます。
取得した点群データは、発注者や元請け企業への報告資料、BIM/CIMモデルのベースデータ、施工進捗を可視化するツールにすぐ活用でき、施工プロセス全体の品質とスピードを高められます。
アジルジオデザインが機器の導入から現場のDXまで支援する
高機能なハードウェアを導入しても、現場の作業員が使いこなせるか不安を抱える企業は少なくありません。
アジルジオデザインは、X120GOやX200GOなどの計測機器を提供しています。導入前には、お客様の現場へ機器を持ち込み、計測精度や作業スピードを体験できる検証・デモンストレーションを実施しており、実際の効果を確認したうえで導入を検討できます。
導入後は、操作講習と実地トレーニングを提供します。機器の基本操作に加え、現場での効率的な歩き方、座標点の設置・補正方法、後処理ソフトウェアを使った点群データのクレンジングやカラー化、土量計算の手順までレクチャーできます。
NETIS登録技術の活用方式と利用・登録の流れ
NETIS登録技術は、活用方式を確認したうえで、検索・選定、発注者への提案、現場での施工・計測、評価の順に利用します。その際、方式に応じた提案と実施後の記録が、評価手続きでは重要です。自社技術を登録する場合は、事前相談から申請・審査へ進みます。
活用方式には「発注者指定型」や「施工者選定型」などがある
公共工事におけるNETIS登録技術の活用方式は、誰が技術を提案するかによって分類されます。
発注者指定型
発注者指定型は、発注者が設計段階または工事発注段階の仕様書で、特定の新技術の使用をあらかじめ指定する方式です。
現場の難易度が高く、特定の先進技術を使わなければ施工が難しい場合などに適用されます。
施工者選定型
施工者選定型は、施工企業がNETIS登録技術の使用を自発的に提案し、発注者の了解を得て採用する方式です。施工計画時や入札時の技術提案で提示し、総合評価落札方式や工事成績評定点の加点措置を狙う場合に重要となります。
近年は、現場条件に応じて技術を柔軟に選べる環境が整っているため、適切なNETIS技術を見つけ、発注者へ効果的に提案できるかが受注競争のポイントです。
登録技術は検索・選定・発注者への提案の流れで活用する
施工企業がNETIS登録技術を現場へ導入し、評価加点を得るまでには、明確な手順があります。
まず、国土交通省のNETISサイトへアクセスし、自社の現場課題に関するキーワードや技術名称で検索します。
次に、検索結果から新技術概要説明書や活用効果情報をダウンロードし、自社の現場環境に適しているかを精査します。適用性を確認できたら、入札時や施工計画時に発注者へ提案します。
最後に、計画に沿って新技術を現場で使用し、施工や計測を行います。従来手法との違いや作業時間などを記録しておくことが、評価手続きでは重要です。
自社技術の登録は事前相談から申請・審査の流れで進む
自社の製品や新しい施工手法をメーカー・開発者としてNETISへ登録する場合は、段階的な審査を受けます。
まず、地方整備局等の新技術活用審議会事務局へ事前相談し、技術の概要、従来技術に対する優位性、実証データの有無などを示して、登録要件を満たすか協議します。
次に、申請書と実証データを準備します。施工速度の向上率、コスト削減率、強度の比較結果などの定量データを、客観的な試験・現場データに基づいて作成し、規定の申請書へまとめます。
公表後は、公共工事で技術が使われるたびに、現場の施工者や発注者から活用効果調査表が集計されます。良好な実績が多数蓄積されると、より高い評価ランクへ進む流れです。
NETIS活用時の注意点と今後の展望
NETISを活用する際は、技術の最新の掲載状況を確認し、施工後の手続きにも対応する必要があります。技術を提案する前の確認から活用後の報告まで、各段階を確実に進めることが重要です。今後は、BIM/CIMの普及に伴ってNETISの重要性がさらに高まります。
登録技術には掲載期間があり最新状況の確認が必要になる
NETISを活用する際に、施工企業がまず確認すべきなのが、技術の掲載期間です。登録技術がデータベースへ掲載される期間は、原則として登録年度の翌年度から起算して10年間が限度とされています。
NETIS Webサイトに現在掲載されている技術は、総合評価や工事成績評定での加点対象として有効です。一方、10年が経過するなどして掲載を終えた技術は、一般化した普及技術とみなされてNETISの枠組みから外れ、原則として加点対象外となります。
掲載終了後の技術を入札提案時や施工計画時にNETIS技術として提案すると、加点が認められないだけでなく、計画が差し戻されるおそれがあります。そのため、提案前にNETISで最新の登録状況を確認することが重要です。
施工後は活用効果調査表の提出が必要になる
NETIS登録技術を現場で活用した後は、活用効果調査表を作成し、発注者へ提出する必要があります。調査表には、次の項目を記載します。
- 作業時間やコストを何%削減できたかという定量的な評価
- 現場での使い勝手や作業員の安全性向上といった定性的な評価
- 使用中に気づいた改善点
提出された調査表は国土交通省のデータベースに集計・蓄積され、技術の客観的な信頼性を高めるデータとなります。評価が良好な技術は、将来、評価情報保持技術や推奨技術などの上位カテゴリーに認定され、提案時の加点幅がさらに優遇される仕組みです。
施工企業にとって、調査表を期日どおり提出することは、工事成績評定点の加点を確実に得るための最終要件となるため、忘れずに対応する必要があります。
BIM/CIM時代に向けてNETIS活用の重要性はさらに高まる
BIM/CIMの本格的な適用に伴い、NETIS活用の重要性はこれまで以上に高まっています。
国土交通省は、小規模な工事を除くすべての直轄事業でBIM/CIMの適用を開始しました。これにより、建設業界は計画・設計・施工・維持管理の全プロセスで、3Dモデルと各種属性情報を活用する時代に入っています。
今後の建設現場では、2次元図面に基づく従来の施工管理から、デジタルプロセスへ移行することが重要です。
まず、X120GO/X200GOのようなハンディ3Dスキャナで現場の三次元点群データを取得し、現況把握を高速化します。取得したリアルタイムの点群データと設計3Dモデルを重ね合わせれば、土量差分や施工誤差を把握できます。
さらに、インタラクティブな3D空間データを使って発注者や近隣住民へ説明することで、意思決定の迅速化も可能です。BIM/CIMへの対応とNETIS登録技術の導入を組み合わせて現場で運用することが、建設DXの成果につながります。
アジルジオデザインのような専門性の高いDXパートナーと連携し、最新のNETIS技術を現場へ取り入れながら、効率的な施工体制を整えることが求められます。
まとめ
NETISは、公共工事における品質向上、施工効率化、総合評価の加点につながる国土交通省の重要なシステムです。施工者選定型などでNETIS登録技術を活用すれば、入札時の加点や工事成績評定点の向上が見込まれ、受注競争での優位性につながります。
アジルジオデザインのX120GO/X200GOも、NETIS(技術番号:KT-230271-VE)に登録されており、リアルタイムSLAMによる高精度な3D計測で、現場の省人化と時間短縮を実現できます。建設DXやi-Constructionへの対応、NETIS登録技術の導入を検討している方は、アジルジオデザインへお気軽にご相談ください。




